第6話 1973年 東条湖のヘラブナ

2024年07月06日 22:37

※この写真は東条湖ではないが父作のヘラ竿が写っている。

※孔雀羽でこしらえたヘラウキ

東条湖はかつて農村の水不足解消のため1951年に鴨川ダムを建設、300年の歴史を持つ土井集落が水没した。従って渇水期には水没した村が確認できる。同年、空輸でブラックバスが放流される。

1969年には東条湖ランドができ一大観光地となり、80年代には年間80万人の観光客で賑わった。と同時に別荘地ブームで沸き、健も1973年に別荘地を購入。

余談だがうちの近くに吉本の岡八郎の別荘地があった。

1973年、東条湖グランド赤坂ホテルの近くに浮き桟橋があり、クルイ(へらぶなが岸辺でバチャバチャと音を立て産卵する時期)の時期に父に連れられよくへらぶな釣りに行った。ヘラウキは孔雀の羽根で父がこしらえたもの。水深が深いから浮きも長い。

水はキレイで釣れてくるへらぶなは巨大。たまにケタバスもかかった。釣ったへらぶなはもって帰り洗いにして酢味噌で食べた。今の時代、寄生虫が怖いと敬遠するだろうが水が綺麗だったので寄生虫にあたることはなかった。モチモチとして歯ごたえがあり真鯛かボラのような身で絶品だったが小骨が多かった。

東条湖を西回りで他人の別荘地を抜け上流の方に行き路駐して徒歩で湖の岩場に出るのだが、ルアーではなくシラサエビを撒いてのフカセ釣りでいくらでもバスが釣れた。バスは同じサイズでスクールを作ってて一匹釣り上げると後からついてくる。岩からズドンと落ち込んでるので際を狙う。まるで地磯でグレ釣りしてる感じ。そうこうしてると観光船が来て観光客に手を振るのだが、観光船には漁協の監視員がいて、しばらくしたら小さいボートで料金徴収にくるからたちが悪い😂

我が家の別荘地は東条湖から少々離れてるが、テニスコートなどもあり、昭和の高度成長期の波に乗り、家族で優雅な休日を送る日々であった。後に東条湖は寂れ別荘地も山林と化し、一時は東条ICができ期待したが、現在は購入時の1/4の価格でも売れない状況。。所有者の高齢化も進み、夏草や兵どもの夢の跡。

それでも自然環境は恵まれてて、ゴルフ場銀座でもあり、原発の影響もないし地震も少ない。いずれ畑でもしながらここで老後を過ごすか。

記事一覧を見る

powered by crayon(クレヨン)